書籍紹介

自然な時の流れに身を任せる

ここ数年の間で聞かれることが多くなった言葉として「平穏死」というものがあります。
文字からどのようなものなのかはある程度予想が付くかと思いますが、まずはこの平穏死というのがどのような考え方なのかを紹介します。
平穏死というのは、終末期に到達した患者が延命治療などを受けることなく、そのまま衰弱にまかせて死亡する、という死の選択を指しています。

類似する言葉として「尊厳死」や「安楽死」などがありますが、それらのように治療を途中で辞めるものであったり、薬品を使って死の幇助をするわけではありません。
ともかく、自然のままに任せて死んでいこう、というのが平穏死の根本となっています。
そんな平穏死については、何冊かの本が出版されています。
ここではその中の一冊として『家族が選んだ「平穏死」 看取った家族だけが知っている本当の「幸せな逝き方」』について紹介します。
>>http://goo.gl/72qCyX

こちらの本は、そもそも「平穏死」と言う言葉が世に聞かれるようになった理由である『平穏死 10の条件』に感銘を受けたものの、まだ世間的にそれほど認知されていないということを憂い、より多くの人に平穏死のことを知ってもらえるように、と言う目的で医師である長尾氏によって執筆されました。
そもそもこの平穏死という概念は新しく登場したものであり、患者一人と一人はもちろんのこと、医師でさえまだ知らない人も少なくないのが現状です。
そこでこの本では、実際に平穏死を迎えた家族の話を元にして、「平穏死を看取る」ということがどういうことなのかを紹介しています。

平穏死の本質

この著書に関するコメントのなかで、興味深いものがありました。
平穏死の本質に関する内容で「平穏死というのは、その時には「これが平穏死だ」ということが分からないほど自然なものだ」というものです。
実際、この本のなかに登場する家族も、自分の家族を平穏死で亡くす、ということについてそれほど意識的というわけではありません。
亡くなった後、暫くたってから「平穏な死だった」と思い返すぐらいのものが、ほんとうの意味での平穏死だ、といえるのでしょう。

平穏な死を迎えるためには、患者本人だけではなく、家族の理解も必要です。
お互いが死についての理解を深めて、考えていかなければならないでしょう。