医者

2つの種類

終末期医療について考える時、1つのポイントとなるのが「安楽死」というものです。
現在日本においては人間以外の動物にはよく使われる言葉でしょう。
例えば走れなくなってしまった競走馬や、引き取りてのつかなかった野良犬などが安楽死処分されています。
しかし、動物の安楽死と人間の安楽死とでは全く事情が違っているというのが現状です。

そもそも安楽死というのが何なのか、ということを改めて見てみましょう。
安楽死には大きく2つの種類があります。

1つは「消極的安楽死」というものです。
死に至る病の治療を行わず、モルヒネ投与などによって痛みや苦しみを抑えることに尽力する、というものです。
これについては現在の制度でも行うことができ、実際に選択されていることも多いでしょう。
緩和ケア、と呼ばれることや「尊厳死」と呼ばれることもあります。

もう1つは「積極的安楽死」というものです。
こちらは病気を死の要因とするのではなく、つまりは自然死をさせるのではなく、毒物等を利用して直接死を迎えさせる、というものです。
これについては、現代においては大きな議論があります

まず、法律的な問題が立ちはだかります。
少なくとも日本においては、いかなる事情があったとしても積極的安楽死を行えば殺人として扱われてしまうことになります。
それどころか、延命中止ですら殺人として扱われてしまう、というのが日本の現在の終末期医療の状況です。

この積極的安楽死については人それぞれ、違った考え方があるでしょう。
消極的安楽死には肯定的な人でも、積極的安楽死には否定的な人も少なくありません。
このような違いが発生する原因の分析として、ジェイムズレイチェル氏は著書『積極的安楽死と消極的安楽死』の中で「殺すことが死に任せることより道徳的に悪いことであると考えているからだ」としています。

メイナードさんの安楽死

そんな安楽死について最近大きなニュースとなったのが「メイナードさんの安楽死」です。
これはアメリカ人の女性ブリタニーメイナードさんが、安楽死をした、というニュースでした。
これだけであればそれほど大きなニュースになるものではないように見えますが、この人が29歳という若さであったことが注目を集める原因の1つとなりました。
そして、生前からフェイスブックを通して自分は安楽死を希望している、ということを記載していたことが議論を呼んだのです。