死去

治る見込みの無い難病

2015年3月、1つの動画が話題となりました。
それは、南米地方チリに住んでいる少女が撮影したものです。
この動画には遺伝性の難病で苦しんでいる自分自身の思いが述べられていました。

彼女はその時まだ14歳です。
しかし、患っている病気「嚢胞性線維症」は難病であり、治る見込はほぼありません。
そのため彼女はその年令にして「安楽死を認めて欲しい」ということを公表したのです。

チリはまだ安楽死に対する法整備が行なわれていません。
もし安楽死を行えば、日本と同じように行った人が殺人に問われてしまうことになります。
この問題からチリ全土、ないしは世界に対して「安楽死と法律」の問題が議論となるようになりました。

少女が苦しんでいることを思い「超法規的」に安楽死を認めてあげるべきだ、という声もあります。
逆に、少女がかわいそうであることは間違いないが、法律は法律であるために破るべきではない、という声もあります。
この2つの声は、いずれも間違ったものではなく、それぞれ優先するものがどこにあるのかが違っているだけです。
皆さんはこのような問題を前にして、どのような考えを持つでしょうか。

顛末は

では、このニュースがどのような顛末をたどることになったのかを紹介します。
全土で話題となったこともあり、少女に対して大統領が記者会見でコメントを行いました。
その返答は「法律がある以上、政府として願いを叶えることは出来ない。命も法も尊重するべきものだ。しかし、その代わりに本人と家族のためのコンサルタント費用の負担をする準備がある」というものでした。
政府、すなわち立法府という立場がある以上、法規にもとづいて判断しなければならない、というのが結論であったわけです。

しかし、これは将来的に不変のものではありません。
今後さらに安楽死に対する議論が深まれば、解禁する国も多くなってくることでしょう。
そういった大きな議論を巻き起こし、少女は亡くなりました。
願った安楽死は叶わなかったとはいえ、彼女の声が大きな反響を巻き起こしたことは間違いありません。