どうしてこんなに自然で自由なのか

乳がんを40歳という若さで発症した渡辺容子さんの著書「患者よ、がんと闘うな」を映画化した「いのちを楽しむ」は、容子さんの最後の2年間にスポットを当てて制作した映画です。
医療の発展によって生きながらえてしまう、闘えといわれてしまう現代、美しく自然に自分らしく生きるという事を全うした感動的なドキュメンタリー映画です。

乳がんは誰にでも起りうること

最近は若い方の乳がんが多くなっていると聞きます。
余命1ヶ月の花嫁という映画では20代の若い女性、恋人もいる女性が乳がんに侵されお亡くなりになるという、必死に頑張った主人公千恵さんの生き様が描かれています。
このいのちを楽しむという映画では、がんになってももっと自然に自由に自分らしく生きる選択をしてもいいじゃないかという容子さんの潔さ、自分らしく最後を迎える事の美しさが描かれています。

がんは今、早期発見によって治らない病ではなくなっています。
しかし人によって早期発見でも、転移が激しくあっという間に全身にがんが広がってしまうという事もありますし、逆に、大きながんだったのにその後、治療によって長く生き延びることが出来たという人もいます。

もしもがんになった時、あなたならどのように対応するでしょうか。
その一つの選択肢として、がんと闘わないという選択肢がこの映画で記されているのです。

死と向き合う事の怖さ

がんと闘わない事イコール、死と向き合う事、これは背中合わせだと感じます。
死ぬことが怖いからこそ、医師に頼り治療をお願いする、また治療は現代、すべきもので、通常選択するしないという問題ではなく、命を継続するために当然のように治療を選択するし、選択することが正しいと医療関係者もいうでしょう。

しかし、辛い治療を必死に行って家に帰る事も出来ずに抗がん剤の副作用で体が弱り、自宅に帰りたいという希望もかなわず病院で息を引き取っていく方は多いです。
化学療法などが発達し、生きる望みがある病気なら治療する事が当たり前です。
でも本当は、患者さんに選択肢があり、どんなふうに人生を歩んでいくか、決めることができるのです。

生き方、死に方を追求した容子さんの生き方

この映画ではがんになってがんと闘う事を選ばなかった容子さんというがん患者さんの選択、さらに生き方や死に方が記録されています。
大きな感動と共に、こんな余生もあるのだという事を伝える映画となっています。

医療の発展によって私たちは命をつなぐ選択をすることもできるようになりましたが、違う選択もあるのだよ、という事を容子さんの優しい終末期が教えてくれているような気がします。
彼女の最後の2年間で何を感じられるか、これは見ておくべき映画といえます。