書籍紹介

人の死に向きあう

今回、関連書籍として紹介するのは『いのちの砂時計 終末期医療はいま』です。
この本は2015年に出版されたあたらしい本であり、終末期医療の現状を考えるのに適切な一冊となっています。
もともとは連載企画であった「さよならのプリズム」をまとめたもので、その内容は様々な家族による「死」への向き合い方が記されています。

この本において、終末期医療の正解が示されている、というものではありません。
本に登場する家族は皆、それぞれ自分の問題として人の死に向き合っています。
その結果、結論が異なることも当然あるでしょう。
これは本を読んだ人に取っても同じことで、もし同じ状況になったとして、自分が同じような対応を取るのかどうか、よく考えるための参考資料だと思ってください。

例えば、自分の大切な人の余命を知った時、そのことを相手に伝えることが出来るでしょうか。
伝えるとして、どのように伝えるでしょう、そして残された時間をどのように過ごすことを考えるでしょうか。

あるいは、もう治る見込みがない状態になってしまった親族の延命を続けることは、家族に取ってのエゴだといえるのでしょうか。
本人の苦しみを軽減するために延命を止めることが正しいのか、それでも生きていて欲しいと思うことが正しいのか、向き合ってみましょう。

冷静ではいられない

人間、誰しも自分、ないしは大切な人の死と向き合うと冷静な状態ではいられなくなります。
普段はどう考えていたとしても、いざその時を迎えると自分でさえ納得が出来ないような判断を下してしまう事になるかもしれません。
この本はそんな時のために向けた「予行演習」です。
もちろん、ほんとうの意味で自分の身に降りかかった時に同じことが出来るというわけではありませんが、心構えの有無だけでも大きな違いがあるでしょう。