老いる事に言及、でも笑顔になれる映画

老いることは誰も避けることが出来ない、まるで子供に還るように、社会での責任を果たしたかのように、少しずつ過去を忘れていく老人たち、でもこれは自然の姿です。
誰もが老いを迎え、誰もが少しずつ死に近づく、これは誰もあらがいようのないことで、最近問題になっている認知症についても、なぜなるのか?止めようがないこの症状に家族も本人も戸惑うのは当然です。
難しい病、症状とどのように向き合っていくのか、幸せな人生をどう締めくくるべきなのか、人生を自分らしくすごし最後を迎えるために何が必要なのか、この映画が一緒に考えさせてくれます。

アメリカの高齢者介護施設での暮らし

アメリカのオハイオ州にある高齢者介護施設、ここには認知症を持ちつつ高齢者が楽しく暮らしています。
スタッフであるジョンはこの施設で暮らす高齢者にいつもたずねます。
「僕の名前を知っていますか?」

すると何回聞いても何回いっても「覚えていません」という答えが返ってきます。
しかしこの高齢者たちがある取り組みを行います。
このことによって彼女たちの暮らしが日々変わっていくのです。
ある取り組みとは、スタッフと一緒に読み書き、簡単な計算をするという単純なリハビリ、認知症の症状を改善させるために行います。

93歳のエブリンは、認知症と診断されてから2年が経過して、自分の名前を書くこともできないし、ジョンとの会話もかみ合わない状態です。
しかしこのリハビリを行う事で、大きな変化が出てきます。
趣味だった編み物を思いだしやるようになり、ジョンに笑顔で話しかけるようになります。

認知症になる前の彼女の真骨頂である辛辣なジョークまで復活するのです。
彼女は仲間とジョンたち施設のスタッフと共に計算したり、文字を書いたりすることで忘れてしまった趣味やにこやかに笑う事、たまに人を笑わせることなどを思い出すのです。
この笑顔の素晴らしい事、彼女たちの笑顔を見ていると、こっちまで幸せな気分になります。

共に歩む、共に努力するということ

この映画では、リハビリ的な事を行っているのですが、決して押しつけではなく、楽しさの中で一緒に行っています。
楽しいという感情の中で、彼女たちの脳にいい刺激があり、それが出来なくなっていたことができるようになるという奇跡的な事を引き起こしたのです。

でもこのスタッフたちが、ごく自然に寄り添い、ごく当たり前に一緒に努力している姿が、素晴らしいなと感じます。
規則的でマニュアル通りの介護ではなく、もっと楽しく人生の最後までの時間を楽しめるようにと工夫する施設の姿、介護の在り方が問われる映画ともいえるでしょう。

非常に素敵な映画です。
93歳のおばあちゃんと一緒に過ごすジョンたちスタッフの取り組みに注目してみてください。