自宅で亡くなるということが少なくなっている現代

1950年代、80%以上の方がご自宅で最期を迎えられていましたが、現代は、自宅でお亡くなりになるという方は10%という数字です。
多くの方が最後は自宅で終わりたいという願いを持っているのですが、終末期ケアという状態になると急変時に不安という家族の声もあります。

こうした最後は自宅でという思いを持っておられる患者さんが多いということを受けて、東京都板橋区内でも、在宅看取りの患者数が最も多い診療所もあり、この先、在宅見取りという医療を行ってくれる病院がもっと多くなることも期待したいところです。

終末期医療、医療重視者が感じる課題とは

在宅の看取りを多く行っている病院の医師に聞くと、最後まで死ということに抵抗しながら亡くなっていくことが非常に大きな課題だという回答が帰ってきます。
終末期医療については、日本で死んではいけないという概念に支配されていた時期が長く、医師は、患者さんを最後まで治療し家族もそれを臨み頑張って欲しいと励ますという医療が行われてきたことが現実で、これは大変苦しい事だといいます。

いつか命あるものは死ぬということを受け入れる事が出来ず、死ということに最後まで苦しくても辛くても抵抗するということは、患者さんも医療を行う医師も、またみているご家族も苦しいままに死を迎えてしまうのです。

宗教が生活の中にしっかりと入りこんでいるミャンマーなどでは、若い世代も生きること、死ぬことの意味などを考えているといいます。
日本よりも平均寿命が短く、60歳前後で亡くなっていく方が多い中、輪廻転生という概念があるため、自然に死を受け入れて過ごされているといいます。

こうした自然と死を受け入れる死に方というのは、穏やかで美しく、これが人の死というものだと考えさせられますが、日本の医療の中でこうした気持ちをもって、死ねる方がどのくらいいるのでしょうか。

その人らしく最後まで過ごせることが目標

在宅見取りをしておられる医師に聞くと、その人らしく最後まで納得して過ごせることが目標といいます。
患者さん本人とご家族、周囲の人たちに囲まれながら、その先に死があっても、納得してその時間を迎えるが出来るかどうか、それが大きな終末期医療の課題になっているようです。

訪問スタッフの役割とは

終末を自宅で迎えるということを選択された場合、身近な人が死ぬ間際に苦しんだりすることもありますし、穏やかに行ける場合でも、人が死ぬ瞬間ということに対面することになるので、戸惑い不安になりますし、死が十ずれることがわかっていても、悲しみにくれることが当然です。

その時に、在宅スタッフはご家族を支え、生前も患者さんに対し、またご家族に対し、何も心配はいらないよと気持ちを穏やかにさせることも在宅で看取りを続ける目的となっているようです。
近しい人がお亡くなりになる時、その瞬間が病院にいるよりも、苦しい治療を受けている時よりもずっと充実した時間の中だったら?こうした穏やかで納得した希望を持てる死というのも、いつかどの知識でも選べるようになってほしいと多くの方が感じているのではないでしょうか。